【10月12日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)は11日、ロンドン五輪の女子ハンマー投げで金メダルを獲得したロシアのタチアナ・リセンコ(Tatyana Lysenko)が、採取された検体の再検査で禁止薬物に陽性反応を示したとして、同五輪での金メダルを剥奪すると発表した。

 IOCは現在、陸上競技におけるドーピング違反の浄化活動の一環として、北京五輪とロンドン五輪で選手から採取されたサンプルの再検査を行っており、ステロイドの一種で禁止されているトゥリナボル(turinabol)が、2011年と2013年の世界陸上(IAAF World Championships in Athletics)で2連覇を果たしたリセンコから検出されたとしている。

 ロンドン五輪でリセンコは、リオデジャネイロ五輪金メダリストのアニタ・ウロダルチュク(Anita Wlodarczyk、ポーランド)とベティー・ハイドラー(Betty Heidler、ドイツ)を抑え、金メダルに輝いていた。

 リセンコが金メダルをはく奪された結果、ウロダルチュクとハイドラーに加えて同4位の張文秀(Zhang Wenxiu、中国)がそれぞれ一つずつ順位を繰り上げられることになった。

 ロシアの陸上競技代表選手は国家ぐるみのドーピングを理由として、今年8月のリオ五輪では出場を禁止されており、先週にはロンドン五輪陸上女子走り高跳び金メダリストのアンナ・チチェロワ(Anna Chicherova)が、2008年の北京五輪で採取された検体の再検査で、禁止薬物に陽性反応を示したとして、同五輪での銅メダルを剥奪されていた。(c)AFP