【10月12日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は11日、2030年代までの有人探査実施を視野に入れた火星への「偉大な飛躍」の道を探るため、米国として民間企業の協力も得た体制で取り組む意向を示した。

 オバマ大統領は今回の発表で、将来の宇宙計画は民間企業と連携して行うという以前からの方針を確認するとともに、こうした協力体制が国際宇宙ステーション(ISS)をはじめとする計画でどのように展開していくのかについて、いくつかの新しい情報も明らかにした。

 11日付で米CNNのウェブサイトに掲載された寄稿文の中でオバマ大統領は「われわれは米国の宇宙開拓物語の次章に不可欠となる明確な目標を設定した。2030年代までに火星に人間を送り込み、地球に無事帰還させるという目標だ。究極の目標は火星に長期間滞在できるようになることだ」と記している。

「深宇宙での長期にわたるミッションで、宇宙飛行士の生命維持と輸送を可能にする最新の居住環境を構築するために、わが国の民間パートナーと連携していることを発表できて心が躍っている」とオバマ大統領は続けた。「これらのミッションは、地球を遠く離れたところで人間がどのように暮らすことができるか、われわれに教えてくれるに違いない。火星への長旅に必要となる事項だ」

 オバマ大統領はこの取り組みにどの民間企業が参加するかは明らかにしなかったが、米航空宇宙局(NASA)は8月、今後2年で総額6500万ドル(約67億円)をかけて深宇宙の居住環境の開発に取り組む民間企業6社を選定したと発表していた。

 6社はいずれも米航空宇宙企業のビゲロー・エアロスペース(Bigelow Aerospace)、ボーイング(Boeing)、ロッキード・マーチン(Lockheed Martin)、オービタルATK(Orbital ATK、旧オービタル・サイエンシズ)、シエラネバダ・コーポレーション(Sierra Nevada Corporation)、ナノラックス(NanoRacks)となっている。