【10月11日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領とトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は10日、トルコのイスタンブール(Istanbul)で会談した。両国はロシア産天然ガスを黒海(Black Sea)経由の2本のパイプラインでトルコと欧州に運ぶ「トルコストリーム(TurkStream)」建設の協定に署名した。

 プーチン大統領がトルコを訪問したのは、昨年11月にトルコ軍機がロシア軍機を撃墜した後としては初めて。ロシア軍機撃墜を受けて両国関係は冷戦(Cold War)以降で最も冷え込んだが、プーチン氏は両国はすべての分野で協力できる関係に戻ったと述べ、エルドアン大統領は「トルコとロシアの関係正常化に向けたプロセスが続くことを確信している」と語った。

 ロシア国営ガスプロム(Gazprom)のアレクセイ・ミレル(Alexei Miller)社長によると、パイプラインの輸送量は1本が年間157億5000万立方メートル、2本合計では300億立方メートルを上回るという。1本目のパイプラインはトルコ向け、2本目は欧州向けで、2019年には2本とも完成する予定。

 一方、プーチン大統領とエルドアン大統領はシリア内戦についての両国の立場の違いには口を閉ざしたが、今回の会談で深刻な人道危機に見舞われているシリア北部アレッポ(Aleppo)に支援が行く届くように協力していくことでは一致した。(c)AFP/Stuart WILLIAMS, Fulya OZERKAN