【10月11日 AFP】交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブック(Facebook)は10日、企業が使用するイントラネットやメールボックスなどの内部コミュニケーションツールを置き換える新製品「ワークプレイス(Workplace)」の世界規模での提供を開始した。

 同社はこのワークプレイスで、マイクロソフト(Microsoft)の「ヤマー(Yammer)」や、顧客情報管理(CRM)大手セールスフォース・ドットコム(Salesforce.com)の「チャター(Chatter)」、「スラック(Slack)」といった社内コミュニケーション製品に対抗していきたい考え。

 2年前に英ロンドン(London)支社が開発した同製品はこれまで「フェイスブック・アット・ワーク(Facebook at Work)」と呼ばれ、1000社で試験運用が行われてきた。同社が米国以外で新製品の運用を開始したのは初めて。

 ワークプレイス担当責任者のジュリアン・コドーニュ(Julien Codorniou)氏はAFPに対し、「既存機能を単一のツールにまとめ、プライベートのプロフィールと同じく、社員が情報を1か所のウォールにまとめて表示できるようにした」と説明している。

 ワークプレイスは同社の一般向けSNSサービスから完全に独立しており、フェイスブック上のアカウントを使用せずにアクセスできる。情報のやり取りは社内に限定され、データが社外を経由することはない。

 サービスに登録すると、事業の規模に応じて、使用する社員1人につき1~3ユーロ(約120~350円)を支払う。非政府組織(NGO)や教育機関は、無料で使用できる。

 既に、多国籍企業では食品大手ダノン(Danone)やブッキング・ドットコム(Booking.com)、金融機関ではロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)、NGOではオックスファム(Oxfam)やセーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)などが利用しているという。(c)AFP