■「気分が悪くなった」

 トランプ氏の問題映像が公開されると共和党員から怒りの声が挙がり、トランプ氏に大統領選選挙戦撤退を促す声や、支持を撤回する声もみられた。

 共和党トップのポール・ライアン(Paul Ryan)下院議長は問題の映像で「気分が悪くなった」と発言した。トランプ氏は8日、ライアン氏の故郷ウィスコンシン(Wisconsin)州で選挙イベントに出席する予定だったが、急きょ招待を取り消され、代わりに副大統領候補のマイク・ペンス(Mike Pence)インディアナ(Indiana)州知事が出席することになった。

 他にも8日までに、いずれも共和党の12人近くの上院議員、12人の下院議員、3人の州知事がトランプ氏への支持を撤回する意向を表明した。

 ユタ(Utah)州選出のマイク・リー(Mike Lee)上院議員は「失礼ながら、敬意を込めて(トランプ氏に)選挙戦撤退を要求する」と発言。イリノイ(Illinois)州選出のマーク・カーク(Mark Kirk)上院議員は、ツイッターに「トランプ氏は撤退すべき。共和党は緊急指名候補差し替えのルールを適用すべきだ」と投稿した。

 ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領の下で国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めたコンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)氏は「もうたくさん!ドナルド・トランプは大統領になるべきではない。撤退すべき」と述べた。

 2008年大統領選の共和党指名候補で、トランプ氏と非難の応酬を繰り広げてきたジョン・マケイン(John McCain)上院議員は「ドナルド・トランプの行動は…指名候補としての条件付きの支持を続けることさえも不可能にした」と述べた。(c)AFP