【10月8日 AFP】コロンビアのフアン・マヌエル・サントス(Juan Manuel Santos)大統領に2016年のノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)が授与されることについて、同国政府との和平合意に調印した左翼ゲリラ組織「コロンビア革命軍(Revolutionary Armed Forces of ColombiaFARC)」も受賞に値すると、6年間FARCの人質となっていた元大統領候補が発言した。

 イングリッド・ベタンクール(Ingrid Betancourt)氏(54)は、大統領候補として選挙活動中だった2002年にFARCに誘拐され、6年間をジャングルの中で過ごした。

 ベタンクール氏はフランスのiTELEテレビの取材に対し「和平から引き返す道はない」と語った。さらにFARCもノーベル賞を受賞すべきだと思うかと尋ねられると、感情を抑え言葉につかえながら「ええ。私にとってそう言うことは非常につらいことだが、そうだと思う」と述べた。

 またベタンクール氏は、ノーベル平和賞はサントス氏にとって「単なる」褒美にすぎないと述べ、「彼はこの結果を手にする闘いにおいてほとんど孤立していた。彼は歴史を作っている。次の世代に異なった国に住める可能性を与えている。コロンビアにとって大きな瞬間だ」と述べた。

 ベタンクール氏はコロンビアのラジオ局ブルー・ラディオ(Blu Radio)にも、サントス大統領のノーベル平和賞受賞は、FARCの「驚くべき変革」を認めるものだとも述べている。(c)AFP