【10月6日 AFP】ボクシング世界ヘビー級王者のタイソン・フューリー(Tyson Fury、英国)が、コカインを大量摂取していることを明かすとともに、自暴自棄になって「自殺する前に誰かにあやめてもらいたい」と語った。

 先週、コカインの陽性反応が出たと報じられていたフューリーは、米情報誌ローリング・ストーン(Rolling Stone)に対し、深刻なそううつ病の自己治療法として、クラスAの薬物(英法で規定されたコカイン、ヘロインなどの薬物)を摂取したことを明かした。

 今年、ウラディミール・クリチコ(Wladimir Klitschko、ウクライナ)とのWBA・WBO世界ヘビー級王座の防衛戦を、2度にわたり突如キャンセルしているフューリーは、3日に現役引退を示唆したものの、数時間後にそれを撤回していた。

「聞いてくれ、俺は人生の中でいろいろなことをやってきた。コカインもたくさんやった。たくさんだ」と、フューリーは同誌に対して衝撃的な告白をした。

 クリチコとの再戦の2度目の中止について説明を求められると、「トレーニングを積んでいなかった。うつ病になっていたんだ。もうこれ以上生きていたくもない。ピンとこないかもしれないが。もう十分なんだよ」と応じた。

「だから、コカインは、これ以上生きていたくないってことに比べたら、ささいなことさ」

「正直なところ、年を越せるかも分からないね」

「双極性障害という見解もある。そううつ病さ。自殺する前に誰かにあやめてもらいたい」

 この憂慮すべきコメントを受けて、英国ボクシング管理委員会(BBBofC)は5日、12日にすでに予定されている会合で、フューリーのライセンスを剥奪する可能性などを検討すると発表している。

 フューリーの処遇についてBBBofCのロバート・スミス(Robert Smith)書記長は、「彼はわれわれからライセンスを受けている。WBOやWBAは統括団体ではあるが、管理団体ではない。両団体はタイトルを剥奪し、王座が空位だと宣言することはできる。あるいは、彼自身が王座を返上することもできる」と、英通信社プレス・アソシエーション(Press AssociationPA)に語った。

「われわれはライセンスを扱っている。理論的にわれわれが彼を活動停止にすれば、防衛などできないのだからタイトルを剥奪する以外に選択肢はない。コカインは国内では法に反するものだ。法律を無視するわけにはいかない。薬物使用には、適切な方法で対処していく」

(c)AFP