【10月6日 AFP】奈良文化財研究所(Nara National Research Institute for Cultural Properties)は5日、現在の奈良市に位置し、1000年以上前の都、平城京の遺跡から発掘された木簡を改めて調査した結果、ペルシャ人の役人が働いていたことを示す新しい証拠が見つかったことを明らかにし、古代の日本が予想よりも国際色豊かだった可能性があると指摘した。

 日本と現在のイランの間の直接的な貿易関係は遅くとも7世紀に始まったことが知られているが、1960年代に発見された木簡を改めて調査したところ、さらに広範囲な交流が見えてきたという。

 古代の日本で紙の代わりとして使われていた木簡に書かれていた文字は、これまで判読不可能だったが、今回、赤外線を使って調査した結果、日本に住むペルシャ人の役人の名前とみられること分かった。

 奈良文化財研究所の渡辺晃宏(Akihiro Watanabe)史料研究室長によると、このペルシャ人は日本の役人が教育を受ける施設で働いており、ペルシャが得意としていた数学を教えていた可能性があるという。

 渡辺史料研究室長は、これまでの研究でペルシャとの交流は7世紀にも始まっていたとされているが、当時、遠いペルシャの国の人が日本で働いていたことが確認されたのは初めてで、奈良が国際色豊かで外国人も平等に扱われていたことを示すものと語った。(c)AFP