【10月4日 AFP】仏パリ(Paris)近郊の刑務所が過密状態で、ネズミやゴキブリ、トコジラミがまん延するなど不衛生な環境にあるとして、国際的な監視機関が3日、仏政府を提訴した。

 不満を訴えたのはパリから約15キロ南にあるフレンヌ(Fresnes)刑務所の受刑者らで、同国に拠点を置く収容施設監視国際機構(OIP)が提訴にあたり支援を行った。

 AFPが入手した文書では、受刑者の1人が「トコジラミだらけで毎晩、顔から首、肩、背中、脚、腕までかまれる」と述べている。他の受刑者も、ネズミの死骸による悪臭や、監房の中に300匹ものゴキブリがいることなどを訴えている。

 OIPによると、訴状はパリ近郊のムラン(Melun)の裁判所に提出された。裁判所の事務官は、5日に審問を開くために処理を急いでいると明らかにした。

 OIPは以前からフランス国内の刑事施設が過密状態にあると警告している。今夏には全仏5万8507か所の刑事施設の被収容者が6万8819人に膨れ上がった。政府は過密状態を解決するため、刑事施設の大規模な新設計画を発表していた。

 中でもフレンヌ刑務所の環境は特に劣悪で、定員1607人に対し2800人が収容されているとOIPは指摘している。(c)AFP