【10月4日 AFP】米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が民主党候補ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏に対する個人攻撃をエスカレートさせている。3日にはクリントン氏が公務で私用メールを使っていた問題を持ち出して「犯罪を画策した」と非難。先週末には夫のビル・クリントン(Bill Clinton)元大統領に対する忠実さに疑いを投げ掛けるなど、支持率で先行を許すクリントン氏へのあからさまな中傷を繰り返している。

 クリントン氏は先月26日に開かれた第1回テレビ討論会後、支持率が上昇している。3日に発表された米政治サイト「ポリティコ(Politico)」と米調査会社「モーニング・コンサルト(Morning Consult)」による合同の全米世論調査でも、クリントン氏の支持率は42%と前週から4ポイント急伸。トランプ氏の36%を引き離した。

 一方のトランプ氏は20年近く連邦所得税の支払いを免れていたとの疑惑が1日に報じられ、一段と窮地に陥っている。

 こうしたなか、トランプ氏は3日、バージニア(Virginia)州で退役軍人を前に演説を行い、クリントン氏に対して一層激しい個人攻撃を展開。クリントン氏が国務長官在任時に公務で私用メールを使っていた問題を改めて取り上げ、「ヒラリー・クリントンのサイバーセキュリティー分野の経験と言えば、連邦法に違反する犯罪を企んだことぐらいだ。大掛かりな隠ぺいに手を染め、国全体を危険にさらした」糾弾した。

 さらに1日にペンシルベニア(Pennsylvania)州マンハイム(Manheim)で行った演説では、クリントン氏が先月肺炎にかかったことをあざけったほか、夫に対する忠実さにあからさまな疑問を投げ掛けた。

「ヒラリー・クリントンが忠実なのは、自分に献金してくれる人と自分自身に対してだけだ。真実を知りたいというのなら、彼女がビル(クリントン)に忠実だとはとても思えない。そんなはずがあるだろうか?」

 トランプ氏はテレビ討論会後、クリントン元大統領の昔の不倫スキャンダルについて言及する用意ができているとも述べていた。(c)AFP/Ivan Couronne