【10月4日 AFP】メキシコで3日、全国統一の緊急電話番号として「911」が導入され、国内の半分の州で運用が始まった。来年1月に全国に拡大する。この番号が選ばれたのは、米国のテレビ番組のおかげで大半のメキシコ国民に馴染みがあるからだという。

 メキシコではこれまで、緊急電話番号は州ごとにばらばらだった。国家公安システム(National Public Security System)のアルバロ・ビスカイノ(Alvaro Vizcaino)事務局長は記者会見で、新たな番号は国内16州で運用が始まり、来年1月には残りの16州・連邦区にも適用されると述べた。

 同氏は統一番号として911が選ばれた理由について、国民10人中8人がテレビや映画などから911を緊急電話番号と認識しているからだと説明した。911は米国のほかカナダなど複数の国で緊急電話番号に指定されている。

 緊急電話番号を国内で911に統一する計画は、エンリケ・ペニャニエト(Enrique Pena Nieto)大統領が2014年11月、法執行制度の全面的な見直しの一環として明らかにしていた。

 メキシコでは当局が国民に対して犯罪を告発するよう繰り返し呼び掛けているが、麻薬密売組織におびえる一部地域の住民からは報復を恐れる声も上がっている。(c)AFP