■責任の所在は…

 この問題をめぐり、デンマークのクリスチャン・イエンセン(Kristian Jensen)外相は、グリーンランド当局としっかり話し合いながら、専門家らと共に状況を注視していくとコメントしている。また米国防総省も「気候変動がもたらすリスクは認識している」とし、問題解決へ向けてデンマークおよびグリーンランド当局との協力を続けていくとする声明を発表した。

 コルゲン氏は、1968年にキャンプ・センチュリーから約240キロ離れたチューレ(Thule)空軍基地近くで起きた、水素爆弾4発積載のB52爆撃機の墜落事故に言及し、当時も米国とデンマークとが共同で処理作業に当たったとしながら、今回の作業もさほど困難なものとはならないだろうとの考えを示した。

 キャンプ・センチュリーでの作業では、どの国が責任を負うのか──その判断は難しい問題だ。だが、これが気候変動に起因するさまざまな紛争を解決する前例にはなり得ると、コルガン氏は期待を寄せる。

 最終的に処理の責任は米国とデンマークが共同で担うことになるだろうと、キャンプ・センチュリー・プロジェクトを研究してきたデンマーク・オーフス大学(Aarhus University)のクリスチャン・ビトフェルト・ニールセン(Kristian Hvidtfelt Nielsen)准教授はみている。ニールセン氏は、基地を設置したのは米国でこれを許可したのはデンマークであることを指摘し「道義的な観点から、デンマークと米国は責任を共有していると考えられる」と語った。(c)AFP/Soren BILLING