【10月2日 AFP】ミャンマー北部の少数民族武装勢力の拠点であるシャン(Shan)州の村で1日、砲撃によって2歳の女児1人が死亡、子ども2人が負傷した。「カチン平和ネットワーク(Kachin Peace Network)」の活動家と住民が語った。少数民族との和平を目指す政府の取り組みの妨げになる恐れがある。

 砲撃を受けたのは、中国と国境を接するプワン(Pu Wang)村だと伝えられている。この村で少数民族の武装勢力は長年国軍と交戦している。

 この地域では武力衝突が散発的に発生して大勢の住民が避難を余儀なくされている。このことがアウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)国家顧問が積極姿勢を示している和平実現への熱意に水を差している。

 村のカチン(Kachin)族の指導者はAFPに対し、「砲撃は子どもたちが遊んでいた今日の朝あった。村に向けて強力な砲撃が6回あった」と語った。死亡した2歳の女児はこの指導者のおいの娘だった。この他に子ども2人(5歳と6歳)が負傷し、越境して中国の病院に連れていかれたという。

 また、カチン平和ネットワークの活動家は、女児の死亡を報告するとともに、負傷した子ども達が中国・雲南(Yunnan)省の病院で手当てを受けている画像を、交流サイト「フェイスブック(Facebook)」に投稿した。

 カチン族指導者と活動家はいずれも、砲撃を行ったのはミャンマー国軍だとの認識を明らかにした。国軍のコメントは得られていない。

 スー・チー氏は約1か月前、少数民族武装勢力との停戦に向けて和平協議に乗り出した。しかしここ数週間、国境地帯では武力衝突が数件発生している。(c)AFP