【10月1日 AFP】ボクシング、WBA・WBO世界ヘビー級王者のタイソン・フューリー(Tyson Fury、英国)は30日、一部メディアでコカインに陽性反応を示したと報じられ、同階級のタイトルをはく奪される危機に直面している。

 ボクサーとしての将来が危ぶまれている28歳のフューリーは、今月29日に英マンチェスター(Manchester)でウラディミール・クリチコ(Wladimir Klitschko、ウクライナ)との王座防衛戦に臨む予定だったが、先週になって突然、健康上の理由により再び試合を延期すると発表した。クリチコとの再戦については、当初7月9日に予定されていたが、フューリーが足首の故障を理由に試合を延期していた。

 米スポーツ専門チャンネルESPNの報道によれば、対戦者同士が合意の上で定期的に行われる検査の一環として、フューリーは先月22日に米ラスベガス(Las Vegas)に拠点を置くボランティア反ドーピング機関(VADA)の抜き打ち検査を受け、尿サンプルがコカインに陽性反応を示したという。

 この疑惑に関して、英通信社プレス・アソシエーション(Press AssociationPA)が同選手のプロモーターであるヘネシー・スポーツ(Hennessy Sports)の広報担当者に接触を試みたところ、窮地に立たされたフューリー陣営は声明を出す予定はないと話し、取材に応じることを避けている。

 フューリーに関するコメントを求めたところ、ボクシングと総合格闘技を専門に検査を行うVADAは、選手からの要請がなければ検査結果を公表することはないと述べた。(c)AFP