【9月29日 AFP】野生生物保護を目的とした国際条約「ワシントン条約(CITES)」の締約国は28日、全身がうろこで覆われた珍獣センザンコウを違法取引による絶滅から救うため、最高レベルの保護対象とすることを賛成多数で可決した。

 群れず、おとなしい哺乳類のセンザンコウは高級食材や伝統薬の原料として、特に中国やベトナム、アフリカ各地で珍重されている。その肉や体の部位への需要急増を受けて密猟が横行し、過去10年で野生の100万匹以上が密猟の犠牲になったとみられている。密輸量は哺乳類としては世界最大だ。

 こうした事態を受け、南アフリカのヨハネスブルク(Johannesburg)で開催中のCITES締約国会議は、センザンコウの取引禁止を圧倒的多数の賛成で決定した。声明によると、センザンコウは8種全てが絶滅の恐れがあるとして、国際取引を全面的に禁止する「付属書I」に掲載される。(c)AFP/Susan NJANJI