【9月29日 AFP】米議会は28日、2001年9月11日の米同時多発攻撃の犠牲者遺族がサウジアラビア政府を提訴することを可能とする法案を上院で賛成97、反対1、下院で賛成348、反対77で再可決し、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領の拒否権を覆した。拒否権が覆されたのは8年におよぶオバマ政権で初。

 超党派によるこの異例の行動は、オバマ大統領にとって打撃となる。大統領は「テロ支援者制裁法(JASTA)」として知られる同法案に反対し、精力的に説得に努めていた。

 米政府は、同法案は国家主権による免責特権の原則を崩すものであり、米国を訴訟の対象にすることを可能にするものだと主張している。

 2001年9月11日の米同時多発攻撃の犠牲者遺族らは、約3000人が死亡した同攻撃にサウジアラビア政府の関与があったとし、同法案の成立を求めて運動してきた。

 同攻撃の実行犯19人のうち15人はサウジアラビア国籍だったが、同国政府とのつながりは証明されていない。サウジアラビア政府も実行犯との一切の関与を否定している。(c)AFP/Andrew BEATTY