【9月27日 AFP】コロンビア政府と同国の左翼ゲリラ組織「コロンビア革命軍(FARC)」は26日、歴史的な和平協定に署名した。FARCは半世紀以上に及んだ内戦の数多くの犠牲者に謝罪した。

 白い服を着たかつての敵同士が、同国北部カルタヘナ(Cartagena)の屋外で行われた感動的な式典で署名を済ませて笑顔で握手すると会場に大きな歓声が湧き上がった。

 式典にはキューバのラウル・カストロ(Raul Castro)国家評議会議長をはじめとする中南米各国の首脳、国連(UN)の潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長、ジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官ら約2500人が参列した。

 署名を済ませたフアン・マヌエル・サントス(Juan Manuel Santos)大統領(65)は「われわれ全員が愛する祖国の元首として、私はあなた方を民主主義に迎えます」と述べた。

 FARCのティモレオン・ヒメネス(Timoleon Jimenez、通称ティモチェンコ Timochenko、本名ロドリゴ・ロンドニョ Rodrigo Londono)最高司令官(57)は「和解と平和構築の新しい時代を始めるため私たちは生まれ変わりつつあります」「FARCの名において私は、内戦中にわれわれが引き起こしたかもしれない苦しみを受けたすべての紛争犠牲者の方々に心から謝罪します」と述べ、FARCは「武器を捨てて政治の世界」に入ると誓った。

 和平協定の署名は4年間の交渉の末に実現した。コロンビア当局は、土地とイデオロギーをめぐる内戦で26万人が死亡、4万5000人が行方不明となり、690万人が住み慣れた場所から追い立てられたと推定している。

 10月2日には和平協定の承認をめぐる国民投票が行われることになっており、最近の世論調査では賛成派がリードしている。(c)AFP