【9月27日 AFP】米プロバスケットボール協会(NBA)、マイアミ・ヒート(Miami Heat)のパット・ライリー(Pat Riley)社長は26日、数年前から患っている血栓の問題でメディカル検査に合格しなかったクリス・ボッシュ(Chris Bosh)について、同球団でのキャリアは終わったとの見解を示した。

 ヒートは23日、通算11回のオールスター選出を誇るボッシュがメディカル検査に合格しなかったことを公表していたが、医療情報に関する守秘義務を理由に詳細については明らかにしていなかった。ライリー社長は報道陣に対し、ヒートのスター選手でここ2シーズンの大半を棒に振っているボッシュ抜きで、チームの将来を計画していくと明言した。

 ボッシュが将来チームに復帰することを期待しているか問われ、「それはない」と答えたライリー社長は、「クリスは現在も前向きに考えていると思う。しかし、われわれは彼の復帰に向けて動いていない。最近の検査結果から考えると、ヒートでの彼のキャリアは終わることになるだろう」と話した。

 その一方でライリー社長は、NBAでのボッシュのキャリアが終わりを迎える可能性については、「それは彼次第だ」とコメントしている。

 ボッシュはこれまで、ヒートでプレーを再開するために必死でリハビリに励んでいた。しかしながらチームは26日、ボッシュを帯同させずに合宿地のバハマに出発する準備を進めていた。

「チームの立場としてはそれが最終決定だ。これでわれわれは、本当に後退を余儀なくされることになるだろう」と話すライリー社長は、ボッシュの処遇について、サラリーキャップの問題が絡んでいることは否定しており、「彼の健康、プレーの状態、そして経済事情のなかでも、とにかく健康だ。サラリーキャップについては、どういう結果になろうとつきまとう問題だが、これまで考えたことはない」と語った。

 一方、エリック・スポールストラ(Erik Spoelstra)ヘッドコーチ(HC)も同日、ボッシュの件では難しい対応を迫られたことを明かし、「本当にC.B.(ボッシュ)が大好きだ。ここ数年間はボッシュと彼の家族を見守ることがつらかった。とにかく彼に同情する」と心境を吐露した。

「今はこの布陣で準備を進めていくことになる。これからもチームは変化し続けていくことになると思うが、今回ほど大きな影響がないことを祈る。合宿に参加するほかの19人について、私は集中していくつもりだ」

 NBAの専門家からプレーは不可能と診断された場合、ボッシュは残りの契約金について3年間で総額7600万ドル(約76億2700万円)を受け取ることになる。そしてヒートは来年2月8日から、サラリーキャップの制限を解除されることになる。(c)AFP