【9月26日 AFP】アフリカゾウの生息数が過去10年でおよそ11万1000頭減り、過去25年で最悪の減少を記録したとみられることが25日、南アフリカのヨハネスブルク(Johannesburg)で開かれている野生動物の国際取引に関するワシントン条約(CITES)の締約国会議で発表された最新の報告書で明らかになった。大幅な減少の原因は象牙目的の密猟の急増だと指摘している。

 報告書は国際自然保護連合(IUCN)が発表した。アフリカ大陸各地を対象とした推計データ275件を基に、アフリカゾウの現在の生息数を10年前に比べ約11万1000頭減の約41万5000頭と推定している。

 12日間にわたる今回の会議は多種多様な生物の新たな国際取引規制を打ち出すために、各国政府当局者や自然保護活動家ら多数が参加し、象牙取引の取り締まりを強化するか緩和するかに関する提案などを協議している。2日目の同日には象牙を狙ったアフリカゾウの密猟を止める最善の方法について話し合われたが、意見は分かれた。

 ナミビアとジンバブエは、自然死したゾウから得た象牙の備蓄の販売を認めてその売り上げをゾウの保護活動の資金に充てたい考えで、ジンバブエのオッパ・ムチングリ(Oppah Muchinguri)環境相は席上、それに反対する国々の主張は国家主権に対する明白な侵害だとして、こうした「帝国主義的政策」は拒否すると述べた。

 ナミビアとジンバブエはそれぞれ自国で健全な数のゾウの生息を誇っており、貯蔵分の象牙を販売する案については南アフリカも支持している。(c)AFP/Susan NJANJI