【9月26日 AFP】国連安全保障理事会(UN Security Council)は25日、シリア北部のアレッポ(Aleppo)で政府軍とロシア軍による空爆が激化していることを受け、緊急会合を開いた。英国とフランス、米国は、5年に及ぶ内戦で最大規模となる空爆を実施して犠牲者を増やし続けているとして、ロシアを激しく非難した。

 米国のサマンサ・パワー(Samantha Power)国連大使は、ロシアがシリアで行っていることはテロ対策などではなく「蛮行」だと指弾。シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領に影響力を行使し、激しい空爆を停止するよう求めた。

 在英の「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、22日にシリア軍が反体制派の支配下にあるアレッポ東部の奪還作戦を発表して以来、爆撃によって少なくとも124人が死亡した。その大半が民間人だとしている。

 フランスのフランソワ・デラットル(Francois Delattre)国連大使は「アレッポでは戦争犯罪が行われている」と述べ、残虐行為が確実に処罰されるようにする行動を要求した。

 これに対し、ロシアのビタリー・チュルキン(Vitaly Churkin)国連大使は、この数日で攻撃が激化しているのは「和平が現時点ではほぼ不可能」だということだと認めつつも、停戦合意が破綻した責任は米国側の調整の失敗にあると改めて主張した。

 チュルキン大使は、米政府が反体制派を国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系の武装組織「アルヌスラ戦線(Al-Nusra Front)」(シリア征服戦線、Jabhat Fateh al-Shamに改名)から切り離し、停戦を守らせることができていないと批判した。(c)AFP/Carole Landry with Karam al-Masri in Aleppo