【9月26日 AFP】(写真追加)43年間車椅子の生活を送っていたポルトガル人男性が、後になって誤診が判明し、50代でようやく歩行訓練を始められるようになったと、ポルトガルの新聞が25日に伝えた。

 ジョルナル・デ・ノティシアス(Jornal de Noticias)紙によると、同国南東部アランドロアル(Alandroal)に住むルフィーノ・ボレーゴ(Rufino Borrego)さん(61)は13歳の時、リスボン(Lisbon)の病院で筋ジストロフィーと診断され、その後40年以上にわたり、車椅子の生活を余儀なくされた。

 ところが2010年、ある神経学者によって、ボレーゴさんが実際に患っているのは筋肉が弱くなる「筋無力症」という別の病気であることが判明。

 まれな病気ではあるが、ぜんそく薬での治療が可能なため、ボレーゴさんはこの診断からわずか1年後、近所の行きつけのカフェに歩いて行けるまでになった。同紙によれば、カフェのオーナーは「奇跡と思った」という。

 ボレーゴさんは現在、年に2回の理学療法を受ける以外は通常の生活を送っている。

 無筋力症は1960年代、医療専門家の間でほとんど知られていなかった。ボレーゴさんはそのことを認識しており、最初に診断した病院に対して不信感は抱いていないと断言。「とにかく人生を満喫したい」と語った。(c)AFP