【9月26日 AFP】中国南西部貴州(Guizhou)省の山間部に設置された世界最大の電波望遠鏡「500メートル開口球面電波望遠鏡(FAST)」が25日、稼働した。当局は宇宙の知的生命体の探索に役立つとみている。国営新華社(Xinhua)通信が伝えた。

 FASTの建設費は12億元(約182億円)。反射鏡の面積はサッカー場30個分に相当し、これまで世界最大の電波望遠鏡だったプエルトリコのアレシボ天文台(Arecibo Observatory)を上回った。

 中国は国の発展のシンボルとして巨額の資金を投じ、軍主導の宇宙開発計画を意欲的に進めている。2020年までに独自の宇宙ステーションを完成させ、最終的には月への有人宇宙飛行を目指している。

 FASTの建設工事は11年に始まった。今年2月には貴州省当局が、良好な観測環境の創出を目的として、半径5キロ圏内の住民約1万人を移住させる方針を表明した。(c)AFP