【9月25日 AFP】イラク北部の都市ティクリート(Tikrit)で24日、銃と爆弾を使用した武装勢力による襲撃があり、警察によると12人が死亡した。イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が事件後に犯行声明を出した。

 ISが2014年6月に制圧し、イラク政府軍が昨年奪回したティクリートでは、これまで同国の他地域のような襲撃はあまり発生していなかった。

 警察によると、IS戦闘員はティクリートの西側にある検問所で治安部隊員4人を銃殺し北に進み、別の検問所で爆薬を積んだ車両を爆発させて8人が死亡したという。警察によると他にも計23人が負傷した。

 しかしISの犯行声明は警察発表の内容とは異なっており、イラク人3人、タジク人1人の計4人の戦闘員が複数の爆弾を爆発させたと主張している。ISによると、戦闘員は検問所でサイレンサーを使った銃で複数の警備員を殺害し、道路を封鎖するために戦闘員1人を検問所に残した。

 その後、ティクリートの入り口で自爆犯1人が爆弾を積んだトラックを爆破させ、別の2人がティクリート付近の軍事基地付近で行われていた警察とイラク政府側の民兵組織の集会で自爆ベストを爆破させたという。

 故サダム・フセイン(Saddam Hussein)元大統領の故郷でもあるティクリートは、首都バグダッド(Baghdad)から60キロ北に位置し、2014年にISがバグダッドの北と西の広範な地域を攻略した際、ISの手に落ちた2番目の都市となった。

 ティクリートは、イラク軍がISから奪回した最初の都市でもある。同軍は現在、ティクリートの北に位置し、同国内で今もISの支配下にある唯一の都市となったモスル(Mosul)奪還作戦に向けた準備を進めている。

 欧米当局は、イラク第2の都市モスル奪還作戦が来月にも開始される可能性があると述べているが、イラク政府は作戦開始時期について具体的な言及を避けている。(c)AFP