【9月24日 AFP】数週間前に5回目の核実験が実施された北朝鮮で24日、同国史上初めての公開航空ショーとして、大規模な民間、軍事合わせた航空ショーが開幕した。

 2日間のイベントは東部の港湾都市・元山(Wonsan)で「元山国際友好航空祝典(Wonsan International Friendship Air Festival)」と銘打たれ、周辺地域の観光促進のために昨年改修工事を終えた、以前は軍用飛行場だった葛麻(カルマ)空港(元山国際空港、Wonsan Kalma International Airport)で開かれている。

 北朝鮮ではどの空港も通常、警備が厳重だが、このイベントのために同空港の滑走路や周辺施設は開放され、地元の見物客数千人、外国メディア、世界20か国からの航空ファン数百人が集まった。

 この航空ショーは、9月9日に北朝鮮が5回目の核実験を行う前から予定されていたもの。核実験は国際社会を憤慨させ、孤立している北朝鮮に対し、さらなる制裁の可能性をもたらした。その前の4回目の核実験の後に国連安全保障理事会(UN Security Council)が採択した決議で、北朝鮮の航空分野は制裁対象とされている。

 そうした中、航空ショーは、米ヒューズ(Hughes)社製のMD500軍用ヘリコプターの展示飛行で開幕した。このヘリコプターは、北朝鮮が米国の輸出規制を回避して第3国経由で1980年代に入手したものの1つだ。

 続いたのは北朝鮮空軍の中で最新鋭機の、旧ソ連時代に製造されたミグ29(MiG-29)戦闘機の初期モデルによる単独アクロバット飛行で、耳をつんざくような低空飛行も行った。その他、展示飛行を行った戦闘機の大半は古くなったミグ17(MiG-17)、ミグ19(MiG-19)、ミグ21(MiG-21)の中国製の複製だった。

 専門家らによると、韓国と比べて北朝鮮のパイロットは飛行時間と訓練時間が不足しており、そのことが空軍の技術的弱点になっているという。(c)AFP/Giles HEWITT