【9月22日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の戦闘員らが、リビアで「花嫁への贈り物」としてマシンガンや自爆ベルトを新妻に与えていたことが、リビア統一政府勢力の入手した婚姻契約書から明らかになった。

 首都トリポリ(Tripoli)を拠点とするリビア国民合意政府(Government of National Accord、統一政府)の勢力は5月12日から、かつて故ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の拠点だった沿岸都市シルト(Sirte)でIS掃討作戦を開始。数か月に及ぶ攻防の末、ISの追放に成功した。

 統一政府勢力はこのほど、制圧したIS拠点の調査で見つかったISの「司法・苦情部門」の文書をフェイスブック(Facebook)上で公開した。その中には、実名や個人情報は伏せられているものの、婚姻契約や離婚の際の取り決めも含まれている。

 例えば2015年11月31日の項には、1977年生まれのチュニジア人の男「アブ・マンスール」がナイジェリア人女性「ミリアム」と結婚し、これにスーダン人とマリ人が立ち会ったと記されている。イスラム教の慣習では結婚に際して花婿から花嫁に結納金が贈られるが、「アブ・マンスール」は自分が死んだときや離婚した場合の「補償」として、金銭の代わりに自爆ベルトを妻に贈ると誓約していた。

 また、マリ人の男「アブ・サイード」はナイジェリア人の妻「ファティマ」に対し、自分の死亡時や離婚した場合にはカラシニコフ銃を受け取ることができると保証していた。

 ISは2015年6月にシルトを占領し、公開処刑を行うなど恐怖支配を実施していた。(c)AFP