【9月22日 AFP】交流サイト(SNS)最大手、米フェイスブック(Facebook)の創設者で最高経営責任者(CEO)のマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)氏と妻のプリシラ・チャン(Priscilla Chan)夫人は21日、疾病の予防や治療、抑制を目指す革新的な研究に対し、今後10年間で30億ドル(約3050億円)を投資すると発表した。

 ザッカーバーグ氏と医師のチャン夫人は昨年、長女マキシマ(Maxima)ちゃんが誕生した直後、保有するフェイスブック株の99%、450億ドル(約4兆6000億円)相当を「人間の潜在能力を発展させ、平等を促進する」ために寄付すると発表していた。

 ザッカーバーグ氏は、米サンフランシスコ(San Francisco)で21日に開いたイベントで、夫妻が設立した団体「チャン・ザッカーバーグ・イニシアチブ(Chan Zuckerberg Initiative)」を通じたこの取り組みを発表。目標はすべての疾病を治すことにあるが、それが無理であっても、死の病とされている病気を抑制可能なものに変えたいと述べている。

 夫妻は、マキシマちゃんの存命中にすべての病の治療法を確立したいとしている。発表会でチャン夫人は時折、涙をこらえながら、たとえこの目標が達成できても子どもたちが全く病気にかからなくなるわけではないが、その頻度は減り、病状も軽くなるだろうと語った。

 夫妻はこの活動が、人々が共同で取り組むプロジェクトとなることを期待している。最初に行う投資は、疾病研究に役立つツールの開発を行う「バイオハブ」のサンフランシスコでの設立に対するものになるという。(c)AFP