【9月21日 AFP】リオデジャネイロ・パラリンピックに出場したチャイニーズ・タイペイ(中華台北、Chinese Taipei)の代表選手が20日、中国の抗議によってユニホームにつけるエンブレムの変更を余儀なくされたことを告白し、中台関係の悪化が進んでいる兆しを示した。

 チャイニーズ・タイペイ代表チームによると、パラリンピックへ向けて出発する2週間前に、国際パラリンピック委員会(IPC)から2003年に承認された同国の紋章に対して中国が反対している旨の通達を受けたと明らかにし、代わりに親中派の野党・国民党(KMT)の党旗に類似した紋章を使用することを要求してきたとしている。

 蔡英文(Tsai Ing-wen)総統の主催で行われた歓迎会でチャイニーズ・タイペイチームの選手団長は、「中国は代表エンブレムを国民党のエンブレムに変えるよう求めてきた。今回の出来事から、われわれの国際関係は深刻だと感じることができる」と語った。

 台湾は独自政府を持っているものの、中国は再統合を待つ自国の一部とみなしている。そのため、国際舞台で台湾が使用する名称、称号、紋章、旗などは特に繊細な問題となっている。今回のパラリンピックでも、台湾はほかのスポーツの国際大会と同様に、チャイニーズ・タイペイの五輪旗の下で出場することを余儀なくされていた。

 国民党は、今年1月の台湾総統選挙で中国・懐疑派の民進党(DPP)に敗北。それ以来、中台関係はますます冷ややかになっていた。(c)AFP