【9月21日 AFP】北朝鮮北部で発生した洪水について、国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は20日、一帯では複数の村が丸ごと押し流され、万単位の住民が自宅を失ったほか、疾病や栄養失調も広がっていると報告した。

 北朝鮮を先月末から今月初めにかけて襲った集中豪雨は同国最北部に壊滅的な被害をもたらし、これまでに少なくとも138人が死亡、数百人が行方不明になっている。被害の大きいへき地には、救助隊がようやく到着し始めたところだ。

 豆満江(Tumen River)を隔てて中国と接している茂山(Musan)郡入りした救助隊に同行したユニセフのアニル・ポカレル(Anil Pokhrel)氏は、「被害の規模を目にして衝撃を受けた」と述べている。

 被災地では家屋や道路、鉄道路線が全て押し流され、住民ら2万4000人余りが自宅を失った。これらの被災者のもとには支援の手も届かず、食料や清潔な水の確保もままならない状態だ。

 ポカレル氏は被害規模について「当初想定したものよりはるかに大きい」とも語った。

 被災地の写真には、一面に広がったぬかるみに家屋の残骸が点在し、冬の到来に備えた衣服に身を包んだ地元住民が必死に復旧作業に取り組む様子が写っている。

 ユニセフによれば、現地では病気や栄養不良になる人々が増加している。医療機関は、援助が必要な子どもは災害前に比べて2倍に急増しており、呼吸器感染や下痢、消化不良を訴える人々も増えていると訴えている。(c)AFP