【9月20日 AFP】レストラン・ホテルの格付け本「ミシュランガイド(Michelin Guide)」初のシンガポール版で今年7月に一つ星を獲得した「ホーカー」と呼ばれる屋台食堂の店主が、少なくとも200万シンガポールドル(約1億5000万円)の出資者と世界進出のチャンスを求めている。

「油鶏」で有名になった屋台食堂「香港油鶏飯麺(Hong Kong Soya Sauce Chicken Rice & Noodle)」の店主で、マレーシア生まれのチャン・ホンメン(Chan Hon Meng)さんは19日、AFPの取材に応じ「(ファストフード大手)ケンタッキーフライドチキン(KFC)のように」世界的なフランチャイズ店を展開できるビジネスパートナーを求めていると語った。

 チャンさんが手本として挙げたのは、同じくミシュランの一つ星を獲得している香港(Hong Kong)の添好運(Tim Ho Wan)と台湾の鼎泰豐(Din Tai Fung)だ。

 チャンさんの店がミシュランの一つ星を獲得して以来、複数の投資家が事業拡大計画を持ち掛けてきたが、国外での事業経験が乏しかったり条件に合わなかったりしたため、断ったという。

 チャンさんは「200万シンガポールドルの出資か、少なくともそれに相当する株を期待している。自分の店のブランドを海外市場に展開したい」と意気込みを語る。そして現在、ストックオプションなども含め、寛大な条件を提示している世界的な食品飲料企業と話し合いを進めていると述べた。相手の社名を明かすことは控えている。

 中華街にあるチャンさんの店は、シンガポールのもう1軒の屋台食堂と共にミシュランの1つ星を獲得して以来すっかり有名になり、最高で3時間待ちの行列ができることもある。

 香港油鶏飯麺は1皿わずか2.50シンガポールドル(約187円)で、世界一安いミシュラン星料理の1つだ。(c)AFP