【9月19日 AFP】(更新)ロシアで18日、下院選(定数450、任期5年)の投開票が行われ、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の与党・統一ロシア(United Russia)が圧勝する見通しとなった。2018年の次期大統領選で4期目となる再選を目指すプーチン大統領にとって大きな弾みとなった。

 下院選では今回から比例代表に加えて小選挙区が復活し、それぞれ225議席を争った。選挙管理委員会によると、開票率90%近い状態での得票率は、統一ロシアが54.3%で、下院の定数450議席のうち338議席以上を獲得することが確実となった。2位と3位に続く政党も、政府の決定を支持するロシア共産党およびロシア自由民主党が、それぞれ13.5%、13.3%となっている。

 プーチン大統領は投票締め切り後、国営テレビで「党(統一ロシア)は良い結果を収めたと確信をもって言える。勝利した」と宣言。「厳しく困難な状況だが、国民はそれでも統一ロシアに投票した」と語った。ドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)首相も52%の得票が発表される前の段階で「絶対多数」の議席を確保するとの見通しを示した。

 プーチン政権は今回の下院選に関して、前回2011年に起きたような大規模な抗議デモの再発を回避するとともに、ロシア経済が政権発足以来最長の危機に見舞われる中で支配権を強化することをもくろんでいた。選挙はこうした政権側の思惑通りに進んだ格好だ。

 とはいえ、統一ロシアの得票率こそ前回の49%を上回ったものの、投票率は締め切り数時間前の時点で40%を切り、特に首都モスクワ(Moscow)やサンクトペテルブルク(St. Petersburg)で低かった。政権が正統性を疑わせるほど強大な権力を行使していることに、多くの国民がへきえきしていることをうかがわせるものだ。

 当局は不正行為を取り締まると約束していたが、国内各地の監視員らからは、同じ人が複数の投票所をバスで回って投票する「クルーズ投票」や票の水増しが横行したとの訴えが出ている。選管幹部は一部地域で問題があったことを認めたが、全体として正当に行われたとの認識を示している。

 ロシアが2014年にを併合したウクライナ南部クリミア(Crimea)でも初めて投票が行われた。ウクライナ側は違法行為だと強く反発している。(c)AFP/Gabrielle Tétrault-Farber with Marina Koreneva in Saint Petersburg and Liliya Buzhurova in Simferopol