【9月17日 AFP】英マンチェスター刑事法院(Manchester Crown Court)は16日、宗教的な治療を行っていたイスラム教指導者を「黒魔術」を行っていると思い込んで殺害したとして、21歳の男に24年以上の禁錮刑を言い渡した。男はイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に感化されて事件を起こしたとみられる。

 ムハンマド・シーディー(Mohammed Syeedy)被告は、英サッカークラブ「マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)」の本拠地スタジアムの元従業員で、事件の際に逃走用の車の運転手を務めていた。

 殺害されたイスラム教指導者ジャラル・ウッディン師(71)は2月、北西部ロッチデール(Rochdale)の公園でハンマーとみられる鈍器で撲殺された。

 実行犯とされるムハンマド・カディル(Mohammed Kadir)容疑者は事件の3日後に出国し、現在はシリアに滞在しているとみられている。

 判事は、ウッディン師は「温和な」男性で、信仰に基づく治療を行っていたために襲われたと語り、判決の際「被告と共犯者は、(ウッディン師の)療法をイスラム教で認められていない黒魔術だと思い込んだ」と述べた。

 検察当局によると、シーディー被告はISの過激思想に傾倒し、警察は被告の携帯電話からIS関連の動画を、自宅からはイスラム過激派のシンボルが描かれた旗やヘッドバンドを発見していたという。(c)AFP