【9月18日 AFP】英ロンドン(London)で地下鉄駅が「ネコ」に占拠された──今週、ロンドン地下鉄ノーザンライン(Northern Line)のクラパムコモン(Clapham Common)駅を利用する乗客は何かが変だと感じ、いつもは普通の広告が掲示されている場所からたくさんのネコが見つめていることに気付く。これは、従来の広告の在り方に一石を投じるプロジェクトの一環として駅構内に張られたポスターのネコたちだ。駅の利用者や観光客からの評判も上々で、歓迎していないのは愛犬家くらいだろう。

 このプロジェクト「CATSCitizens Advertising Takeover Service、市民広告占拠サービス)」を考案したのは、前向きな社会変化を目指して今年創設されたクリエーティブ集団「グリンプス(Glimpse)」だ。創設者のジェームズ・ターナー(James Turner)氏によると、クラパムコモン駅にネコのポスター68枚を張り巡らす費用を工面するため米クラウドファンディング最大手キックスターター(Kickstarter)のウェブサイトに募金ページを開設したところ、2万3000ポンド(約306万円)を超える資金が集まった。

 ポスターの写真に採用されたネコたちはインターネット上で人気の高かったネコたち。里親あっせん保護施設のネコや、100ポンド(約1万3000円)以上を出資したプロジェクト賛同者たちの飼いネコがモデルを務めている。

 ターナー氏は、世の中にはネコよりイヌが好きという人やネコが苦手という人たちがいることは認識しているとしながら、全体的にみればプロジェクトは期待通りの反響があったと話す。「このポスターを目にした人たちは、その後、少しだけ考え方が変わります。変わらないと思い込んでいる世の中の物事も、例えば広告のように、実は変えられるのかもしれないと思い始めるのです」(c)AFP