【9月17日 AFP】米大統領選の共和党候補、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は16日、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領は米国生まれだと認めた。

 トランプ氏は、オバマ氏が大統領就任の法的前提条件とされる米国籍を持っていないのではと疑問視する「バーサー(Birther)運動」の一端を何年にもわたり担ってきたが、こうした主張は人種差別だとの声が上がり、トランプ陣営は火消しに躍起になっていた。

 トランプ氏は、全米にテレビ放送されるなど注目を集めたイベントの中で、「バラク・オバマ大統領は米国生まれだ。以上」と明言。一方で、かたくなに謝罪はせず、バーサー運動を始めたのは民主党候補のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官だとする誤った主張を繰り返した。

「バーサー運動を始めたのは2008年のクリントン陣営だ。それを私が終わらせた。私が終わらせたんだ。言っている意味が分かるだろう」(トランプ氏)

 トランプ氏は少なくとも2011年以降、オバマ氏の国籍を疑問視してきた。トランプ氏の政界でのキャリアを飛躍させたきっかけとなったのがこの根拠のない主張で、これによって全国規模で知名度を高め、極右の支持者を増やした。

 だがトランプ、クリントン両氏の支持率が拮抗(きっこう)する今年の大統領選では、この主張はマイナスに働き、勝利に必要となる黒人やヒスパニック系、穏健派有権者の間に不快感が広がっていた。

 トランプ氏は15日にもオバマ氏の国籍を疑問視する発言をしており、同氏の陣営は「トランプ氏はオバマ大統領が米国生まれだと信じている」と発言を修正する声明を出さざるを得なかった。(c)AFP/Andrew BEATTY