【9月14日 AFP】タイで、教員の投げたマグカップが女子生徒の頭部にあたり、生徒が負傷したとされる出来事が世論の注目を集めていることを受け、警察当局は14日、立件に向けて捜査する方針を表明した。

 タイでは複雑な上下関係が深く根付いており、教員は大きな敬意を払う対象とされている。だが生徒にとっての教職員というような、目上の人物の目下の人物に対する扱い方をめぐって、たびたび世論が怒りの声を上げている。

 マグカップを投げられた17歳の生徒の家族は、治療費をめぐる学校側との話し合いが決裂したことを受けて、この問題を地元メディアを通じて世論に向けて訴えた。

 家族によると8月初め、女子生徒と友人たちは、座っているよう指示されていた場所から立ち去ろうとしたため、体育教員が女子生徒の頭部に向かって陶磁器のマグカップを投げた。女子生徒は顔の神経を損傷し、顔の左側が恒久的に下垂するようになってしまった。

 地元の教育当局によると、この体育教員はすでに他校へ配置転換されている。

 女子生徒はフェイスブック(Facebook)に自身のけがを撮影した写真を投稿し、「教員は私たちが指示に従っていないと考え、コーヒーマグカップを適当に投げ、それが私にあたった」と話している。

 同様の出来事はタイでこれまでにも起きているが、有力者が訴追を免れることが多く、世論ではそのたびに怒りの声が上がっている。

 今月には、ある生徒が卵豆腐スープアレルギーかどうかをめぐり議論となり、生徒が教員の足もとにひれ伏すことを強いられる出来事を捉えた動画がネット上で広まったばかりだった。(c)AFP