【9月11日 AFP】2001年9月11日の米同時多発攻撃から15年を前に、現場の一つ世界貿易センター(WTC)の跡地から回収された、数多くの遺物の引き取り先を決めて分配する作業がすべて終了した。エイミー・パシアック(Amy Passiak)さんが6年かけて取り組んできた任務だ。

 7月27日、ニューヨーク(New York)のケネディ国際空港(John F. Kennedy International Airport)の貨物エリアの一画に、最後の作業のために集まった関係者は少数だった。

 9.11同時多発攻撃で崩壊した世界貿易センターの跡地から回収された品々のうち、残っていたものは同空港の第17格納庫に保管され、パシアックさんが監視を任された。

 同空港を管理・運営するニューヨーク・ニュージャージー港湾管理委員会(PANYNJ)の管理下で、パシアックさんは6年をかけて約2800点の遺物を分配する橋渡し役を担ってきた。

 遺物のなかには、壊れた警察車両やWTC内の店舗で販売されていたサングラスなど、個人所有の品でないものもあったが、そのほとんどは崩壊したWTCの巨大な破片だった。WTCの基礎構造に用いられていた「トライデント」と呼ばれる鉄骨を含め、その多くが鋼鉄で個々の重量は数十トンにもなる。

 港湾管理委員会は2009年、記念碑や記念館などの建設計画に利用してもらうため、これらの遺物を非営利団体や政府機関に寄付することを決めた。その際、「9.11記念博物館(National September 11 Memorial Museum)」に勤務していたパシアックさんが担当に選ばれた。(c)AFP/Thomas URBAIN