【9月11日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)、サンフランシスコ・フォーティナイナーズ(San Francisco 49ers)に所属するQBコリン・キャパニック(Colin Kaepernick)の行動をきっかけに議論となっている、米国歌演奏時の起立拒否の問題だが、シアトル・シーホークス(Seattle Seahawks)は11日のチーム開幕戦で、全員で起立して腕を組むことを決断した。同チームのWRダグ・ボールドウィン(Doug Baldwin)が明かした。

 キャパニックは、主に白人警官による黒人の銃撃が相次いでいることをアフリカ系米国人に対する暴力だととらえ、8月のプレシーズンマッチで、米国歌「星条旗(The Star-Spangled Banner)」の演奏中に立ち上がることを拒否していた。そして前週には、シーホークスからも同様の行動を取る選手が現れていた。

 しかし2016年の9月11日は、ニューヨーク(New York)や首都ワシントン(Washington D.C.)が壊滅的な被害を受けた米同時多発攻撃から15年の節目であるため、チームは国歌演奏中に全員で起立する決断を下した。

 ボールドウィンはフェイスブック(Facebook)に動画を投稿し、「僕たちは多様な背景を持つ個人の集まりですが、チームとして、今回はみんなで立ち上がって腕を組むことを選択しました」と明かした。

「みんなが愛する自由のために戦う人々を、僕たちはたたえます。そして、すべての人の幅広い自由と正義の保証のために立ち上がります。ここから前進するには、ともに立ち上がる以外にないのです」

 シーホークスは、11日の本拠地マイアミ・ドルフィンズ(Miami Dolphins)戦で新シーズン開幕を迎える。(c)AFP