【9月9日 AFP】ブラジル当局は8日、リオデジャネイロ五輪のチケットの不正販売をめぐる捜査で、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長を参考人として聴取する意向を示した。

 リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)市警の捜査官によれば、今回の事件で容疑がかかっているアイルランド・オリンピック評議会(OCI)のパトリック・ヒッキー(Patrick Hickey)会長からIOCのバッハ会長へ、リオ五輪のチケットを要求する旨のメールが送信されていたことが確認されたといい、「ある不透明な点について明確にするため、メールに名前が挙がったトーマス・バッハ会長を参考人として聴取する方針だ」と語った。

 バッハ会長は7日、リオデジャネイロ・パラリンピックの開会式を欠席し物議を醸していた。

 ヒッキー氏が、2015年7月に自身へのリオ五輪のチケットの割り当てを増やすよう求めるメールをバッハ会長に送っていたと明かす別の捜査官は、「バッハ会長は返信しなかったが、われわれはヒッキー氏がリオ五輪のチケット296枚を余分に入手していることを確認しているため、IOC会長の聴取を希望する」と話している。

 問題となったメールは、今回の事件で逮捕されたアイルランド・オリンピック評議会の別の容疑者から押収したパソコンから発見されたといい、市警によれば、闇市場で取引されたチケットの利益は推定約300万ドル(約3億円)に上るという。(c)AFP