【9月8日 AFP】(更新、写真追加)バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は8日、南シナ海(South China Sea)で中国が主張する「歴史的権利」に法的根拠はないと判断したオランダ・ハーグ(Hague)の仲裁裁判所の裁定について「拘束力がある」と明言し、中国をけん制した。中国政府は、裁定は無効だと主張している。

 オバマ大統領は、ラオスの首都ビエンチャン(Vientiane)で開催されている東南アジア諸国連合(ASEAN)との首脳会議で、「7月の仲裁裁判所の裁定には拘束力があり、域内の領有権の明確化を促進した」と語った。

 その上で、オバマ大統領は「これにより緊張が高まっていることは認識している。しかし、どうすればわれわれが共に建設的に前進できるか、協議を通じて緊張を緩和し、外交と安定を促進させることも期待している」とも述べた。

 オバマ大統領は中国に対して、裁定を順守し、域内の緊張を高めかねない一方的な措置を控えるよう求めている。これに対し中国は、裁定を利用して対立をおあっているとして米国の介入を非難している。(c)AFP