【9月7日 AFP】ジカウイルスは目の中でも生存が可能であることをマウス実験で確認したとの研究結果が6日、発表された。ジカ熱患者の間で確認されている目の疾患や失明などの症例を説明し得る研究結果だという。

 米科学誌セル・リポーツ(Cell Reports)に掲載された論文によると、米セントルイス・ワシントン大学(Washington University in St. Louis)のジョナサン・マイナー(Jonathan Miner)氏率いる研究チームは、ジカウイルスへの感染がマウスの胎児・新生児・成体の目に及ぼす影響を調べた。

 その結果、感染から7日後にもジカウイルスが眼内に生存していることを確認したという。研究チームは、患者の涙に触れただけでもウイルスに感染する恐れがあると指摘。今後、研究対象をジカウイルスに感染した人にも拡大する予定だ。

 ジカウイルスに感染しても、大半の場合は発熱や発疹といった軽微な症状しか出ない。だが妊婦が感染した場合は、新生児が脳と頭部が異常に小さい状態で生まれる小頭症を引き起こす恐れがある。

 研究チームによると、子宮内でジカウイルスに感染した新生児の3人に1人が、視神経炎や網膜損傷、失明といった目の疾患を発症している。成人が感染すると、結膜炎を引き起こす場合もある他、まれではあるが、眼球壁の一部に炎症が起きるブドウ膜炎を発症し、失明につながるケースもある。(c)AFP