【9月4日 AFP】インド警察は3日、首都ニューデリー(New Delhi)のホテルで人身売買の被害者とみられるネパール人女性22人を救出したと発表した。現在、容疑者2人を捜索しているという。女性たちはネパールから中東へと売り渡されるところだったとみられる。

 インド警察は在印ネパール大使館からの通報を受け、1日朝、ニューデリーの国際空港付近にあるホテルを捜索した。被害女性の1人が事前にホテルから逃げ出し、同大使館に駆け込んだことが今回の捜査につながったという。

 ビザを調べると、女性らのほとんどがカタールをはじめとする中東諸国に向かうことになっていたという。

 警察によると、女性たちは2015年4月に発生した地震の影響が残るネパールで必死に仕事を探していたが、中東で仕事があると誘われた。だが、1週間前にインドの首都に到着すると、人身売買業者にパスポートとビザを取り上げられたという。

 9000人近い犠牲者を出し、大勢が家を失った2015年の地震以来、ネパールでは人身売買の発生件数が急増しており、被害者の多くはインドや湾岸諸国に売られ、奴隷労働や売春を強いられている。

 ネパールの人権団体が2013年に発表した報告書によると、同国では未遂も含めて2万9000件の人身売買事件が起きている。(c)AFP