【9月4日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2016)は3日、男子シングルス3回戦が行われ、ファン・マルティン・デルポトロ(Juan Martin Del Potro、アルゼンチン)が第11シードのダビド・フェレール(David Ferrer、スペイン)を7-6(7-3)、6-2、6-3で下し、2012年大会以来となる4回戦進出を決めた。

 度重なる手首のけがに悩まされ、一時は引退の瀬戸際まで追い込まれたデルポトロだったが、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)やノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)を下す快進撃を見せて銀メダルを獲得したリオデジャネイロ五輪からの勢いをそのままに、今大会は1度もセットを落とさずにベスト16入りを決めた。

 現在世界ランキング142位のデルポトロは、キャリアを再び築く中で結果については気にしていないと明かした。

「勝つか負けるかは関係ない。本当に多くの問題を抱えたあとで、とにかく自分のテニスをもう一度プレーしたいだけだ。もし2009年の時のようなフォアハンドが打てれば、皆にとって楽しいものになるだろう」

 その2009年にデルポトロは、全米オープン決勝で当時同大会で40連勝を記録していたロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)を破って優勝。その後は4度に及ぶ手首の手術を経験するなど、今年初めには引退も検討していた。

「手術を乗り越えて、自分のテニスをもう1度見せることができ、非常に興奮している。引退寸前だったが、こうしてわが家のように感じられる場所でプレーしている。信じられないような雰囲気で、毎日ハッピーにさせてくれる」

 この試合を通じて37本のウイナーを記録したデルポトロは、4回戦で第8シードのドミニク・ティエム (Dominic Thiem、オーストリア)と対戦することが決定。両者は今年すでに1度、クレーコートで行われたマドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2016)で顔を合わせており、その際はデルポトロが勝利している。

 一方、この日の試合前までデルポトロとの直接対決ここ5戦で4勝するなど、通算成績でも6勝3敗と勝ち越していたフェレールは、第1セットで5-2とリードしていが、デルポトロの追い上げの前に屈した。

 1日に行われたファビオ・フォニーニ(Fabio Fognini、イタリア)との2回戦で翌日の午前1時までに及ぶ激闘を繰り広げていたフェレールは、「観客はファン・マルティンを応援していたけど、自分の試合に集中しようとしていたから、あまり(観客の応援は)気にしない」と話し、「ファン・マルティンの方が良いプレーをしていた。サーブも彼の方が良かった。第1セットでは彼にも不安が見えたものの取られてしまった。第2、第3セットではより攻撃的にプレーしてきたし、サーブからフリーポイントを奪われた」と振り返った。

 加えてデルポトロについて「彼は素晴らしい選手だ。よりフォアハンドやサーブから攻撃的なテニスをするなど、彼の試合にも変化が見える」と語り、称賛を送った。(c)AFP