【9月10日 AFP】ドイツ北東部・バルト海(Baltic Sea)に浮かぶリューゲン(Ruegen)島のプローラ(Prora)。ナチス・ドイツ(Nazi)の指導者アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)が国民のための大規模な余暇キャンプを設置しようと夢見た海辺で今、ナチスの遺物である巨大な廃墟の再生プロジェクトが進められている。

 元の施設は、ナチス・ドイツが国民に多様な余暇活動を提供したプロパガンダ政策「喜びを通じて力を」の一環として、最大2万人の国民を受け入れるために建てられた。ここでは「アーリア民族」の労働者階級に、レジャー活動を提供すると同時に、ナチスに対する忠誠心や強力な人種的アイデンティティーを根付かせるイデオロギー教化を行う計画だった。

 建物の建設は1936年に始まったが、第2次世界大戦(World War II)の勃発で1939年に中止された。その後、共産主義国家だった東ドイツの下では、軍の兵舎として使われていたために存在が隠され、観光地図などに載ることはなかった。1989年に東ドイツが崩壊した後は、施設は傷む一方だった。

 この施設の再生プロジェクトによって今夏完成した複合リゾート施設、「プローラ・ソリティア(Prora Solitaire)」は、ガラス張りのバルコニーを持つクリーム色の外観に生まれ変わり、しゃれたアパートや温泉施設を備えている。(c)AFP/Deborah COLE