【9月1日 AFP】歌手ロビン・シック(Robin Thicke)とファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)の2013年の大ヒット曲「ブラード・ラインズ~今夜はヘイ・ヘイ・ヘイ♪(Blurred Lines)」が往年の歌手マービン・ゲイ(Marvin Gaye)の楽曲の盗作との評決が出された裁判をめぐり、ミュージシャン200人以上が、判決を不服とするシックらの上訴を支持する意見書を提出した。

 ウィリアムスとシックは2015年3月、同曲がマービン・ゲイの1977年のヒット曲「黒い夜(Got to Give It Up)」の著作権侵害にあたるとの評決を受け、遺族に740万ドル(約7億7000万円)を支払うよう命じられた。その後金額は530万ドル(約5億5000万円)に軽減されたが、この裁判の判決は、曲が似ているなどの理由で訴えられることには慣れているものの、裁判で実際にそういった主張が受け入れられることはないと考えていた作曲家コミュニティーに、大きな衝撃を与えた。

 ミュージシャン212人は意見書で、判決による直接的な利害はないとした上で、この判決が判例になることを危惧しているとし、「自分たちの創造力、そして未来のアーティストたちの創造力に悪影響をもたらし、ひいては音楽業界全般に悪影響を及ぼす可能性があることを懸念している」と述べた。

「許容されうるインスピレーションと違法なコピーの間の線引きについての意味のある基準をなくすことで、この判決は間違いなく創造力を抑圧し、創造的プロセスをも妨害する」と、ミュージシャンらは訴えた。(c)AFP