【9月1日 AFP】(更新、写真追加)ブラジル議会上院は8月31日、ジルマ・ルセフ(Dilma Rousseff)大統領(68)に対する弾劾裁判の最終採決を行い、同大統領を罷免することを決めた。ルセフ氏はただちに失職し、大統領代行を務めてきた副大統領ミシェル・テメル(Michel Temer)氏(75)が新大統領に就任した。

 ルセフ氏は国家会計を不正操作した罪に問われていた。最終採決では81議員中61人が有罪に投票。評決に必要な3分の2以上の票が有罪に投じられ、ルセフ氏の即時失職が決まった。これにより、中南米最大の経済を持つブラジルで13年間にわたり続いた左派政権は終わりを迎えた。

 採決から3時間後、テメル氏が上院で就任宣誓を行い、新しい大統領に就任した。テメル氏は中道のブラジル民主運動党(PMDB)出身で、ルセフ政権で副大統領を務めながら同氏の政敵へと転向していた。

 テメル新大統領はテレビ放送された閣議で「新しい時代」を始めると約束した。任期は現行大統領の残りの2018年まで。

 弾劾裁判では、ルセフ氏の向こう8年間にわたる公職追放の是非を問う投票も行われたが、こちらは予想外の否決となった。これにより、ルセフ氏は理論上では政界復帰が可能となった。

 ルセフ氏は最終採決の後、記者団に対し、弾劾裁判は「議会によるクーデター」だと非難。自身が所属する労働党の政権復帰を誓った。(c)AFP