【8月31日 AFP】中国で、16年間逃走していた殺人事件の容疑者が、仏教寺院で僧侶として暮らし、寺院の院長にも選ばれていたという。国営メディアが31日、伝えた。

 国営紙・新京報(Beijing News)によると、張立偉(Zhang Liwei)容疑者は、共犯者らとともに2000年に北東部・黒竜江(Heilongjiang)省で3人を刃物で刺して殺害した容疑で、今月初めに警察当局に身柄を拘束された。

 張容疑者は3人を殺害後、2000キロ近く南の安徽(Anhui)省に逃走し、名前を変え、寺の料理人とチケット販売業者として生計を立てていたという。その後、同省鳳陽(Fengyang)県にある寺院で僧侶となった。

 地方政府の機関の一つである政治協商会議の委員になった張容疑者は2年前、他の僧侶たちから院長に指名された。

 張容疑者の身元は、同容疑者が海外へ渡航するためにパスポートを申請した際、指紋が指名手配者のものと一致したことで判明した。

 新京報によると張容疑者は寺院の生活環境の改善や建物の修繕に尽力し、僧侶たちから高く評価されていた。また同容疑者は最近、孤児2人を経済的に支援していたという。(c)AFP