【8月30日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)、サンフランシスコ・フォーティナイナーズ(San Francisco 49ers)のQBコリン・キャパニック(Colin Kaepernick)が、国内の黒人に対する待遇に関して抗議するため試合前の国歌演奏で起立することを拒否し、リーグを二分する問題に発展している。

 先日のプレシーズンゲームで米国歌「星条旗(The Star-Spangled Banner)」が演奏された際に、キャパニックは公然と起立を拒否して批判を浴びた。

 この問題で28日、米国での黒人の窮状を訴えるために、今後もこの抗議行動を続けていくと主張したキャパニックは、「大きな変化が起こり、国旗が象徴すべきものを象徴し、国が代表すべきやり方で人々を代表する時がきたら、自分も起立するつもりだ」とコメントした。

 フォーティナイナーズとNFLは国歌演奏での起立を求めているが、それに対する規則はなく、キャパニックが処罰されることはないとみられる。

 一方、フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia Eagles)のルーキー、マイク・タバレス(Myke Tavarres)も29日、キャパニックに同調し、来月1日に本拠地で行われるニューヨーク・ジェッツ(New York Jets)とのプレシーズンゲームで、国歌演奏の間に起立するつもりはないと表明した。

 23歳のタバレスは米スポーツ専門チャンネルESPNに対し、「この国では現在ある問題を抱えている。誰かが立ち上がったように、僕たちみんなが立ち上がるべきだ」とすると、「僕たちにはその権利がある」と主張した。

「人々が話題を避けたがる問題が山積している。俺たちアスリートは、人々の手本として見られている。コリン・キャパニックは、自分の信条に従って立ち上がり、素晴らしい仕事をしている。ほとんどの人間は違うかもしれないが、それが彼の考えであり、そうする権利がある。僕は彼の行動を尊重する」

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