【8月26日 AFP】今季のフォーミュラワン(F1、F1世界選手権)で年間首位に立っているメルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)が、規定回数を超えるパワーユニットのパーツ交換により、最大で20グリッド降格の処分を受けることが濃厚になった。ハミルトン本人が罰則を覚悟するとコメントしている。

 ハミルトンは今季、これまでに上限となる5基のターボチャージャーとMGU-H(排熱エネルギーも活用したジェネレーター)を投入しており、6基目に交換した時点で処分が確定する。そして夏季中断明けの初戦ベルギーGP(Belguim Grand Prix 2016)開幕前の記者会見に出席したハミルトンは、「僕の知る限り、この週末にペナルティーを受けることになる」と明かした。

「もちろん、エンジンのペナルティーが問題になることは話し合ったけれど、影響を最小限に抑えられるよう全力を尽くすよ。そのペナルティーを受けることを抜きにすれば、中断前の勢いを持ち込めると思っている」

 ハミルトンは中断前の7月に行われたレースで4連勝を飾り、直近7戦で6勝を記録。シーズンは残り9戦で、チームメートで総合2位につけるニコ・ロズベルグ(Nico Rosberg)に19ポイント差をつけている。

 ハミルトンは「勝利を目標としているのは間違いないが、それはとてもとても難しい。ほかのマシンとの差はごくわずかで、車の改革から今では3年が過ぎた。レッドブル(Red Bull)やフェラーリ(Ferrari)もすごく速くなっている」と語っている。

「後方から順位を上げていくのは年々難しくなっている。だからこそ、今回はペナルティーの影響をできるだけ小さくすることが目的になる」

 そして、最後尾からのスタートで優勝は可能かと問われると、「かなり難しいね…ちょっと考えづらい。だけど、レースに絶対はない。だからやれるだけやってみるよ!」と述べた。

 ハミルトンが罰則を覚悟しなければならないのは、シーズン前半戦で続いたパワーユニットの不調に原因があるが、チームに不満はないかと聞かれたハミルトンは、「自分もチームの一員だ」と答えた。

「F1はチームスポーツだから、勝つときも負けるときもチームと一緒だ。ときにはちょっとしたミスやアクシデントでは済まないこともあるが、それを仕事ができないせいだとはまったく思わないし、教訓だと思っている。僕らはそこから学んで、二度と起こらないようにしている」

 今大会で優勝すれば、通算60回目の開催を迎えたベルギーGPで、ハミルトンはF1通算50勝目を挙げることになる。節目の大記録についてハミルトンは、テレビのF1中継を見ていた少年時代には思いもよらなかったと語った。

「こんなことを予想していなかったし、通算50勝だなんて考えもしなかったよ。今でも毎日自分をつねって、F1レーサーであることを確かめてるくらいなんだ」

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