【8月26日 AFP】ケニアのハッサン・ワリオ(Hassan Wario)スポーツ相は25日、リオデジャネイロ五輪で関係者の不祥事が続いた同国の五輪委員会(NOCK)を解体すると宣言した。五輪で金6個を含む合計13個のメダルを獲得したケニアだが、その一方で、薬物疑惑が浮上したコーチ2人の強制送還、ウエアやユニホームが選手の元へ届かない、関係者の不手際で飛行機の搭乗券の予約ができていないなどの問題が相次いだ。

 リオ五輪でトラブルが続出した状況を受け、自身も批判の矢面に立たされていたワリオ氏は、ナイロビ(Nairobi)市内で記者会見を開き、「ケニア国立五輪委員会の即時解散」を宣言した。

 ワリオ氏は「トラブル」や「事故」、そして「派遣の不手際」などがケニアの五輪を汚したとNOCKを断罪。国内のスポーツ施設の管理などを行う「スポーツ・ケニア(Sports Kenya)」の主導の下、新たな五輪委員会を結成すると表明している。

「NOCKに対するこうした批判は由々しき事態であり、この国における五輪の地位や評価を脅かすものである」と語ったワリオ氏は、不祥事について調べる「調査委員会」の設置も約束した。

 ところが、ワリオ氏が話し終えると、同席していたNOCKのポール・フランシス(Paul Francis)事務局長は、スポーツ相には解体の権限はないと言い出した。

 フランシス氏は「NOCKは政府組織ではないし、閣僚に解体の権利はない。われわれは事務局を引き払うつもりはないし、こちらの知る限り、われわれはまだ存続している」と話し、五輪でのぶざまなミスは政府の責任だと主張した。(c)AFP