【8月26日 AFP】イタリア中部で24日未明に発生した大地震による死者は、25日までに250人に達した。被災地では、強い余震が続く中、救助隊が厳しい捜索を続けている。

 特に被害が大きかったアマトリーチェ(Amatrice)では、193人の死亡が確認された。同町の人口は約2500人だが、この時期は多数の観光客が訪れていた。地震が発生した時間帯、人々はまだ就寝中だった。

 アマトリーチェでは翌25日、マグニチュード(M)4.3の余震が発生。本震で損傷した建物が倒壊する恐れもあり、救助活動に支障が出る可能性が懸念されている。

 がれきの中から生存者が見つかる望みが徐々に薄れる中、2009年の地震でも近隣の都市ラクイラ(L'Aquila)で300人が死亡したにもかかわらず、なぜ人口の少ない同地域でこれほど多くの人が犠牲になったのかという疑問が広がっている。

 アマトリーチェの南50キロにあるラクイラが被災した際、同域の地震に対する脆弱(ぜいじゃく)性が浮き彫りになった。だが今回の地震で、新たな災害への備えは到底十分とは言えない状況だったことが露呈した。

 地元検察当局は、甚大な被害が出たことについて「人災」として罪を問うべき人物がいないかどうか、捜査を開始する方針を明らかにした。(c)AFP/Ella IDE with Angus MACKINNON in Rome