【8月23日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)大統領率いる米政権が、全米の公立学校に対し、トランスジェンダー(性別越境者)の生徒・学生に自らが認識する性別に基づいたトイレの使用を認めるよう指示したガイドラインについて、テキサス(Texas)州のリード・オコナー(Reed O'Connor)連邦地裁判事は21日、ガイドラインの履行を差し止める判断を示した。

 公立の学校や大学において、トランスジェンダーにとってより安全な環境を整えるために提出されたこのガイドラインをめぐっては、テキサス州をはじめとする13州が連邦政府を相手取って訴訟を起こしていた。今回の判断は13州側の訴えを支持した格好だ。

 政府がこのガイドラインを文書で通達したのは今年5月。性差別を認めないとする既存の法律に基づき、トランスジェンダーの生徒・学生に、出生証明書に記載された性別ではなく、自らが認識する性別のトイレ使用を許可するよう求めている。文書には、学校側が許可しない場合、性差別を禁じる法律に抵触する恐れがあると書かれていた。

 これに対しオコナー判事は、既存の連邦法における個人の性別は「出生時に確認された生物学的・解剖学的な男女差」に限定されることを意図したものだと指摘した。

 同判事は、この判断がガイドラインを受け入れるべきと考える州にまで押し付けられるものではないが、各州はガイドラインを受け入れない場合にも違法であると考える必要はないとしている。(c)AFP